実際のところ僕にもまだ分からないことが多い。反面、ソーラー発電に興味をもってから分かってきたことも少々、ある。
そもそもなんでソーラー発電なんかやってみる気になったか?というあたりに溯って話そうか。
きっかけは今年の始め頃NHKの特集で放映していた「Y2K」問題だった。それを見ながら漠然と「そうか、電気がないと困るよな〜」などと思った。実際には2000年を迎えた瞬間に発電所にトラブルが発生して送電がストップするなどということは殆どないだろう。確率的には低いと思う。もし仮に起きたとしても黙って大人しく待っていればやがて復旧するだろう。日本は平和だから心配ない。
アメリカの場合は少し事情が違って、トラブルに乗じて暴動や略奪などが起こりうるということのほうに危機感をもっているらしい(と、なにかの雑誌に書いてあった)。だから、なんとしても1999年12月31日から2000年1月1日にかけての時間帯は家に明かりを灯して身の安全を計らなければならない。だから発電機が売れているらしい。
ちょっと話がそれてしまったけど、僕はそんな話よりも、漠然と「電気がないと困る」という至極当たり前なのに、今まで考えてもみなかったことに気が付いたのである。
ガスや水道だって「電気」がないと供給されない。なぜならガス湯沸かし器だって「電気」を使うし、ウチはマンションだから水を受水槽に汲み上げるポンプのモーターが動かなければ水道も使えない。ノートパソコンやビデオのバッテリだって元々はAC電源から充電している。
そうやって考えているうちに、なんで東京電力という単なる一企業におんぶにだっこの状態で自分達の生命を預けなきゃいけないのか疑問に思えてきたのである。
「電気」を自分で作っちゃいけないのだろうか?
ソーラー発電は特に目新しい技術というわけではない。もう何十年も前からあるはずだ。なのに身近で見かけることがあまりないのは何故だろう?電卓はそういえばソーラー電池が主流だけど、基本原理は同じはずだ。ちょっと大きなソーラーパネルがあればちょっとした電力ぐらいはまかなえるのではないだろうか?そう思って色々調べてみる気になったのである。
最初に気が付いたのは、やはりソーラー発電が普及しては困る人たちがいる、ということ。それは「電気」を独占している電力会社であり、様々な規制と引き換えに利権を操る政治家達であろう。
確かに「電気」は危険である。下手に触ると感電する。だから政治の力で規制をかけたり、電力会社に任せなさい、ということになる。でも基礎的な+と-の知識や直列、並列の違いくらいは小学校〜中学校の義務教育で習っているのだから、自作ぐらい出来るはずだ。学校で習ったことを実生活で生かしたっていいじゃない。 ☆コラム「電気の話」
そういうわけで単純に自作できるだろうと思ったのだが、しかし同時に、もしかしたら専門家じゃないと分からないような特別な技術が必要なのかもしれない、自作は危険かもしれない、という両方の考えが頭を過ったのである。
なにか手掛かりを探そうと思い、
まずホームページを検索してみると、出てくるのは大手メーカーが手掛ける住宅用ソーラー発電システムである。しかしそれは一戸建ての持ち家に住む人向けのものだった。バカにしている、なぜならウチはマンション暮らしだ。マンションのベランダで発電出来るシステムも考えて欲しい。 ☆コラム「売電と政府の助成金の話」
それから、個人のホームページでソーラー発電を導入した人の自慢話し。そういった人は大抵「環境」とか「原発」の問題と「ソーラー発電」を同列の問題と捕らえていて、話としては良い話だし、意見的にも殆ど賛成できる。でも、とりあえず今の僕には単なる自慢話でしかなくて、高額な施工費をメーカーに払えるだけの余裕のある人なんだ〜ぐらいにしか思わなかった。だって何かヒントになるような技術的な話しはなんにもないんだもの。確かにメーカーにお金払って作ってもらっただけだからね。
この頃は殆ど有益な情報が得られないまま悶々としていた。
とりあえず秋葉原へ行ってみることにした。
秋葉原を巡ってみるとやはりソーラーモジュールを扱っているパーツ屋があった。そこで、その店の親父に聞いてみた。もちろんいきなり住宅用ソーラー発電システムを作るとは言わないで、アウトドア用に簡単なシステムを組むにはどうすればよいのか?と聞いた。
そこで親父曰く、そのままバッテリに繋げばよい、と実に単純な答えだった。そして発電量を増やしたかったら何枚か並列に繋げばよい、と、これも単純明快。一つ疑問が晴れた瞬間であった。
この時点で小規模なシステムなら自作も可能なことがわかってきた。
システムの概要としては、、、
・ソーラパネルを12Vのバッテリに接続してバッテリを充電する。ソーラーパネルの発電電圧は最高約17Vなので電荷は電圧の高いソーラーパネルから低い12Vバッテリのほうへ流れ充電できる。学校で習う電気の知識の通りである。ただし夜間などソーラーパネルが発電しなくなると今度は12Vのバッテリの側から限り無く0Vに近いソーラーパネル側へ電流が逆流してしまう。そこでソーラーパネルには逆流防止のためのダイオードが封入されている。パネルの表面は強化ガラスで被われているので屋外に出しておいても雨水が直接入ることはない。秋葉原のパーツ屋さんにはダイオード無しのものやガラスで保護されていない純粋にパネルだけのもの、6V仕様のものなどもある。
・バッテリに貯えられたDC12Vを交流AC100Vに変換するためのインバーターを繋いで使う。インバーターはカー用品店などで売っているものを利用してみる。
しかし、まだよくわからないこともあった
・インバーターが作る交流には正弦波と矩形波があるらしい。正弦波じゃないと使えない電気器具もあるらしい。
・通常住宅用システムには充電コントローラーというものがあるらしいがそれは一体なんなのか?何の役目をするものなのか?
・ソーラーパネルから充電するのに適したバッテリは何か? ☆コラム「バッテリの話」
過放電を防ぐにはどうしたらいいのか?同じ鉛バッテリでも自動車用と船舶用があって、船舶用はディープサイクルとか言って、全然性質が違うらしいが一体どういうことなのか?もう少し技術的な理屈が知りたい。
多分、規模を大きくするにつれて出てくる問題もありそうだが、とりあえずソーラーパネル1枚とバッテリ1個から始めてみることにした。