地味すぎて気が付かないプロフェッショナルレタッチ

最初に完成した写真を見ていただきましょう。 

curtain.jpg

奥にちらりと見えているのは明るい日差しが降り注ぐ広々と明るいダイニング。

広々とした住宅だなぁ、という以外は特に変わった様子はない。

でも実はこれ、スタジオのセットなんです。

 自分たちスタッフ数名で床材を敷き、壁を立てて、奥にも部屋があるように見せています。

では、何がどうなったのか、

修正前と修正後の写真を見ていただきましょう。

 

 

 

 左が修正前で、右が修正後です。

curtainsozai.jpg

 

 どこが違うか見つかりましたか?

、、、

正解は、後ろの窓、カーテンの高さです。

実はセットを作る前から、窓とカーテンの高さが足りなくなることは、薄々感じていました。

ではどうするか?ディレクターと相談しました。

完成写真の上部の余白にはタイトルコピーが入るので、どうしても高さが必要でした。

レイアウトを変更して、商品より上はカットして写真の外にコピーを持ってくるということも、案としてはなくはないのですが、広告写真の場合、事前に決まっていたレイアウトを変更するというのは簡単なことではありません。

もちろん、デザイン上のこだわりもあります。

もう一つの案は、シンプルな壁だけにしてしまうとか、セットそのものを簡単なものにしてしまうというものです。

でもこれも、せっかく奥行き感のあるいいラフスケッチを描いていたのに、ただ商品を壁の前に置いただけ、のような写真にしてしまうことには抵抗があります。

クライアントから「ラフと違うじゃない!」などと突っ込まれる可能性だってあります。

だからといって、窓枠を作り直すような時間も予算もありません。

「じゃあ、窓もカーテンもPhotoshopで伸ばしちゃおう!」

と、僕が言いました。

とは言ったものの、完璧な状態でクオリティを維持しながら画処理が出来るか、不安もありました。

「伸ばす」のは簡単なんですが、絵柄によっては伸ばしていく部分の境目が甘くなったりします。

境目をぼかしながら伸ばしていくのか、あるいは、どこをどう選択して、レイヤーを作って、細かい境目は手作業で、、、?などと、頭の中でシュミレーションしてみたりします。

セットが出来上がり、カメラアングルを決めます。

やっぱり上が足りません、、。

でも、案外レタッチは楽かも、、と思い始めました。

というのは幸いにも観葉植物の葉っぱのような細かいものがないことと、

手前の柱の垂直がきちんと出ていれば、そのまま真上に伸ばすだけで済むからです。

その予想は当たりました。

あっけなく簡単にレタッチ完了!完璧です!

☆手順

・ツールボックスから「多角形選択ツール」を選びます。

・柱と背景の境目に沿って垂直に線を引き下ろし、花の少し上ぐらいまで窓枠とカーテンを選択します。

・この場合、境目はぼかしたりはしません。(1ピクセルぐらいぼかしたかも?忘れた)

・選択した部分をコピー&ペーストしてレイヤーを作ります。(下の画像と全く同じ場所に重なっていることを確認します)

・切り取ったレイヤー部分を選択し、「編集」メニューから「変形」→「拡大・縮小」を選びます。

・上部のアンカーをドラッグし、上に伸ばします。

・完成!

今回は伸ばす部分の絵柄がシンプルだったので助かりました。

複雑な絵柄になると大変なので、「大丈夫」などと軽く言わないほうが無難だ、、と思う。

 

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