オークション用の商品撮影をしたい方や、
プロカメラマンを起用しないで自社製品を撮影したい企業担当者向けのライティング講座です。
まず最初は普通に撮った場合の作例。
通常、デジカメの内蔵ストロボなどを使った手持ち撮影だとこうなりますよね。
これを、多少の機材と手間を惜しまなければ、プロ並みの写真にすることも可能です。
それを解説していきましょう。
最近はカメラ量販店でも簡易ミニスタジオが各種発売されていて、そんなに高価なものでもないので「物撮り」をする機会の多い方なら持っていて損は無いでしょうし、
Webショップなどを展開されている会社の方なら、必須のものと考えて、会社の経費で買ってくださいね(笑)。
私が使っているのはフォトキューブプロ(Photo Cube Pro)という少し大きめのドーム型簡易スタジオセット。
一回りサイズの小さいフォトキューブもあります。
簡易ミニスタジオは撮影したいモノのサイズや撮りたいアングルなどの使い勝手を考慮して選ぶといいでしょう。
(通常の斜俯瞰など一般的なアングルに対しては汎用性はありますが、上から見下ろすようなアングルには対応出来ないミニスタジオが多い。フォトキューブは置き方を変えれば真俯瞰も可能。)
さて、どんな機材が必要なのか並べてみました。
右上に折り畳んである黒い袋がフォトキューブ。広げるとかなり大きくなります。
蛍光灯電球とソケット、ライトスタンドや延長コード、クリップやテープ類などです。
また、撮影用に三脚は必須です。
こうした必要機材は撮るモノによって変わってきます。
ここでは前回紹介した自作蛍光灯ライトも使った作例を紹介します。
フォトキューブを展開すると白い紗幕のドームテントになります。
フォトキューブプロには背景に使うホリゾントは付属していないので自前で白ケント紙などをアール状に貼ります。(B全の紙がちょうど収まるサイズになっている)
背景をセットする時はガムテープを使うと後ではがす時に汚れたりするので、クリップなどを利用するとよいでしょう。
左から自作蛍光灯ライトで25W×4灯をメインライトとして使います。
反対サイドから抑えのライトを入れ、同じスタンドの上からトップ光も作ります。
左右上と3カ所からライトを入れていることになりますが、あくまでもメインライトは左側のライトです。
これは別に、いつも左側という意味ではなくて、右からでもいいんですが、
一番光量が強いメインライトと逆サイドに出来る影や商品の暗くなる部分を抑えるという意味で反対サイドからも弱いライトを入れてやります。
トップライトはホリゾント全体を照らすベースライトの役目をします。
このバランスをどうコントロールするか?がプロのプロたる所以なんですが、
まあ、一般的に注意する点としては、
3灯が同じバランスにならないこと、です。
特に左右が同じ光量だと右にも左にも両方に影が出たりします。
自分の中で、このライトがメインライト!と決めることが大事です。
メインライトが決まったらそれが一番強くなるようにライトを集めます。
ここでは25W×4灯を使いましたが、1本のスタンドに2〜3灯まとめるなど灯数を増やすことで強い光を作り出すことが出来ます。
単純に1灯のライトを被写体に近づけても光量は強くなりますが、1灯だけだとディフューザーの拡散のされかたが不充分で影の出方がキツくなったりします。
2〜3灯まとめることで大きな面光源になりますから、柔らかいけど強い光を作ることが出来ます。
では、このライティングの状況で撮影された写真を見てみましょう。
フォトキューブは白い紗幕で覆われているので内部もレフ板の効果があって光が廻り込み、柔らかい美しい写真に仕上がります。
あ、そうそう言い忘れましたが、多分このとき部屋の天井の蛍光灯(40W×2)もそのまま点灯しています。
蛍光灯には昼光色や昼白色など色の違いがありますが、同じ種類のものならこうしてライティングに利用出来ます。
あえて写真用のデーライトに設定された蛍光灯を使わないメリットは部屋の天井の蛍光灯もそのままトップライトとして使えることです。