その1
その2
ときて、その3です。
そのまえにちょっと一言。
☆ファイル名の謎
使ってみて、いまだによく分からないままになっているのが、ファイル名の付け方です。
接頭文字が_IGPだったり、IMGPだったりします。
通常アンダーバーから始まるファイル名はAdobe RGBに設定した時で、それは他メーカーの機種でもそうなっています。でも規則性があるのでわかるのですが、このPENTAX Q10はその規則性が全く分かりませんでした。
ファームウエアの問題なんでしょうか?
もしかしたら借りていたカメラはベータ版的な個体だったのかもしれません。
製品版ではこのような仕様にはなっていないのでは?と思いつつ、、
なにか情報があったら教えて欲しいです。
いきなり寄り道してしまいましたが、
本題へ戻り、どんどん作例写真を紹介していきましょう。
サムネイルをクリックすると別ウインドウで原寸表示しますが、画像が大きすぎて全部表示できなくなり、スクロールが出来ない仕様のブラウザーもありますので、一旦右クリックでメニューを選択する事をお勧めします。
☆SCN(シーン)モード
PENTAX Q10はモードダイヤルをSCNにすることで様々なシーンに適したオート設定を自動的にしてくれます。これは露出や色彩に関する設定だけでなく、例えば動体モードにすると連写モードになったり、ナイトスナップモードにすると自動的に高感度になったりしますので、細かい設定が苦手な初心者にも使いやすくなっています。また、その設定の内容を知る事で、上級者もその設定を生かした撮影を楽しめると思います。
料理モード
02 STANDARD ZOOM
14.9mm(35mm換算83mm)
f4.5 1/20秒 ISO400 露出補正 +0.7 三脚使用 蛍光灯光源
本文124ページの写真のアングル違いのカットです。
私は真正面よりも、少し皿を回転させたこちらのアングルのほうが好きです。
どちらが良いとかはありませんので好みの問題です。
Photoshop Bridgeでメタデータを見ると露出モードはマニュアルとなりますが、これは露出補正をしたためこのような表記になります。
コントラスト 2、彩度 0、シャープ ハードとなっています。料理モードは鮮やか系の発色をしますが、実際には彩度を上げているのではなく、コントラストとシャープだけで鮮やかさを表現するので極端な色にはなりません。こうした自然な鮮やかさを表現できるのも料理モードの良いところです。
似たようなシーンで「テーブルフォト」がありますが、こちらはコントラスト 0、彩度 0、シャープ ノーマル、の設定なので品物を誇張することなく正確に表現することを旨としています。
余談ですが、この料理、息子に作ってもらいました。イタリアンのお店で修行中です。
夕景モード
02 STANDARD ZOOM
5.0mm(35mm換算27mm)
f3.5 0.5秒 ISO100 露出補正−0.7 三脚使用
「夕景モード」と「夜景モード」の違いは、夕景モードのほうがコントラストもシャープも高めに設定されています。これが、完全な夜景になるとイルミネーションの明るさなど明暗差が激しくなるためコントラストもシャープも控えめに設定しているのが「夜景モード」です。彩度は夜景モードのほうが高めです。
こうした似たようなシーンでも、その設定内容の違いを知る事で使い分けが出来るようになります。
フォレストモード
02 STANDARD ZOOM
5.0mm(35mm換算27mm)
f3.2 1/80 ISO200 露出補正なし
これも、「フォレストモード」と「風景モード」の違いを知る事で、あっ、なるほど!と思うはずです。
森林の中に入っていくと、日差しのある場所と日陰の場所にかなりの明暗差があることがわかります。
そのため、フォレストモードはコントラストが0、と控えめな設定になっています。彩度はどちらも2ですから鮮やかな色再現をします。
マクロモード
06 TELEPHOTO ZOOM
44.5mm(35mm換算248mm)
f2.8 1/320秒 ISO200 露出補正なし
PENTAX Q10が言うところの「マクロモード」は花の近接撮影を想定したモード名です。ですからコントラストも彩度も高めの設定になっています。
通常、マクロというのは近接撮影のことなので本来、マクロ=花ではないんですが、その辺が誤解しやすいところです。
また、コンデジなどで「マクロモード」にするとレンズがジジーッと繰り出して近接撮影が出来るようになったりしますが、このQ10の場合は単なるモード名なだけで、ハード的に一段と最短撮影距離が短
くなるということはありません。あくまでも夫々のレンズの最短撮影距離に準じます。
動体モード
02 STANDARD ZOOM
5.5mm(35mm換算30mm)
f6.3 1/2000秒 ISO200 露出補正なし
「動体モード」にすると自動的に連続撮影のHiモードに固定されます。オートフォーカスも自動的に「追尾モード」に固定されます。
この設定も、じゃあ「ペットモード」とどこが違うの?と思うでしょう。
「動体モード」のほうがコントラストもシャープも高めになっています。ですから、スポーツの他、車や電車などハード系の撮影向きです。
そうすると、この作例のカモメさんなどは「ペットモード」のほうが良かったかもしれません。(撮影中は試行錯誤しながら撮っていたので、、、後で分かる事ってあるんです。←反省)
あえて、フレアが入ったカットを出しますが、そのほうが参考になると思いましたので、、、
☆いくつかの面白設定
PENTAX Q10には「デジタルフィルター」とか「スマートエフェクト」といった面白設定が出来る機能があります。本誌では私の担当ではなかったので、私の作例は掲載されていませんが、、
いくつか撮ったカットがありますので、出します。
クロスプロセス
02 STANDARD ZOOM
14.9mm(35mm換算83mm)
f5.0 1/1250秒 ISO200 露出補正なし
「スマートエフェクト」の「クロスプロセス」です。
設定の仕方は本文94ページ参照。
「クロスプロセス」という呼び名は、フイルムの時代に、リバーサルフイルムを本来のE-6処理ではなく、ネガ現像のC-41処理をしたりして、わざと違う発色にする手法でした。
これをデジタルで実現したのがこのエフェクトです。撮る度に違う色になりますので、何枚か連続で撮影して偶然性を楽しみましょう。
ソリッドモノカラー
02 STANDARD ZOOM
8.8mm(35mm換算49mm)
f3.5 1/80秒 ISO100 露出補正なし
これもスマートエフェクトです。デジタルフィルターにも「色抽出」という似た設定がありますが、「ソリッドモノカラー」のほうがハードな仕上がりになります。
デジタルフィルターの設定は本文66ページ参照
パソコンでの後処理などせずに簡単にこんなことができる時代って凄くないですか?
☆知っていると便利な事
PENTAX Q10は一眼レフですが、フォーカルプレーン式のシャッターではありません。レンズシャッターなんです。
ということは、高速シャッターでもストロボをシンクロさせる事ができるということです。
作例写真としてはとくに面白い写真ではありませんが、、、
02 STANDARD ZOOM
15mm(35mm換算83mm)
f5.0 1/320秒 ISO100
ストロボ無し、
02 STANDARD ZOOM
15mm(35mm換算83mm)
f4.5 1/1250秒 ISO400 露出補正+0.3
ストロボ有り
内蔵ストロボを使ったデーライトシンクロです。
プロが使うような大きな一眼レフは通常1/200秒あるいは1/250秒以下でないとストロボをシンクロさせることができません。(ハイスピードシンクロ機能のある一部を除いて)
このように1/1250秒でもシンクロさせることが出来るのは新鮮な驚きです。ただ、ストロボの光量の設定等、いくつかの設定事項が増えますので、このときどのような設定にしたのかは、、、忘れてしまいました、、、
本誌の中では触れられていない良い話なのにすみません。
ただ、このやり方を習得すると面白い作品も撮れるかもしれないので、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
もうひとつは、
ホワイトバランスをわざと変えてしまう手法をご紹介します。
02 STANDARD ZOOM
14.4mm(35mm換算80mm)
f4.5 1/100秒
写真は本文138ページの別カットです。
実は採用された写真を撮った後で、「そうだ、冬の寒々しさを表現するならこれだ」と思いつき、後日撮り直しました。
ホワイトバランスをタングステンモードで撮影すると、日中の光りは青白い色再現をします。
白熱電球が赤く見えるのと逆で、白熱電球(タングステン)世界から太陽光世界を見ると青く見えるのです。
ホワイトバランスの変更は本文176ページ参照。
最後に、ムービーデータをアップして、終わりにしましょう。
最初、容量が大きすぎてエラーになってしまいましたので、時間を短縮して容量を小さくしました。
トリムして保存しなおしているので、厳密には撮って出しではなくなっていますが、ダウンロードしてからご覧ください。
pentaxq10.mov
マニュアルフォーカスで微妙にピント移動をしています。構図はフィックス(固定)のままでも、ピント移動と被写体の動きがあるのでスチル用の固定三脚でも工夫次第で楽しめます。
本文203ページ参照。
3回にわたったPENTAX Q10の記事も、ここで一区切りとしましょう。
PENTAX Q10と「PENTAX Q10撮り方ハンディブック」をよろしくお願いいたします。