カテゴリー別アーカイブ: ライティング講座

フォトキューブを使った商品撮影

オークション用の商品撮影をしたい方や、
プロカメラマンを起用しないで自社製品を撮影したい企業担当者向けのライティング講座です。

まず最初は普通に撮った場合の作例。

通常、デジカメの内蔵ストロボなどを使った手持ち撮影だとこうなりますよね。

yasai0007.jpg

これを、多少の機材と手間を惜しまなければ、プロ並みの写真にすることも可能です。
それを解説していきましょう。

最近はカメラ量販店でも簡易ミニスタジオが各種発売されていて、そんなに高価なものでもないので「物撮り」をする機会の多い方なら持っていて損は無いでしょうし、

Webショップなどを展開されている会社の方なら、必須のものと考えて、会社の経費で買ってくださいね(笑)。

私が使っているのはフォトキューブプロ(Photo Cube Pro)という少し大きめのドーム型簡易スタジオセット。
一回りサイズの小さいフォトキューブもあります。
簡易ミニスタジオは撮影したいモノのサイズや撮りたいアングルなどの使い勝手を考慮して選ぶといいでしょう。
(通常の斜俯瞰など一般的なアングルに対しては汎用性はありますが、上から見下ろすようなアングルには対応出来ないミニスタジオが多い。フォトキューブは置き方を変えれば真俯瞰も可能。)

さて、どんな機材が必要なのか並べてみました。

photocube8034.jpg

右上に折り畳んである黒い袋がフォトキューブ。広げるとかなり大きくなります。
蛍光灯電球とソケット、ライトスタンドや延長コード、クリップやテープ類などです。

また、撮影用に三脚は必須です。

こうした必要機材は撮るモノによって変わってきます。
ここでは前回紹介した自作蛍光灯ライトも使った作例を紹介します。

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自作蛍光灯ライト

DSCF8046.jpg今日は、自作の蛍光灯ライトを紹介します。
電球タイプの蛍光灯をソケットに取り付けて使います。

本体は何だと思いますか?

実はコレの本体部分は「ソーメンの入っていた木箱」なんです。

そう聞くと、あ、なるほどぉ〜って思うでしょう?

本当です。
ソーメンの木箱にモーガルソケットを取り付けて箱の中で配線してあります。

表面にアルミ板を貼り、バーンドアもアルミ板です。

このバーンドアがあることで写真のように自立することが出来ます。

バーンドアを閉じると、コンパクトに収納可能です。

25Wタイプの電球型蛍光灯を4灯取り付けると、計100W相当になりますから結構明るくなります。蛍光灯の100Wはタングステンに換算すると約400W相当の明るさと言えます。
ただ、
明るいからと言って人物撮影には適しません。
インバーター回路が入っていないので、1/60秒以上のシャッタースピードになるとフリッカーの影響で露出が不安定になります。
あくまでも物撮り用です。

この写真を見て真似してもらっても全然構わないですが、タングステン(白熱灯)で使うのはやめたほうがいいです。
消費電力や発熱などの問題で火災になる可能性もありますから、発熱の少ない蛍光灯専用と考えてください。
もちろん自己責任でお願いします。

また、
一般の電球タイプの蛍光灯はデーライトの色温度ではありませんので、ストロボ光などと混ぜて使うことはできません。
同じ蛍光灯でも写真用品として扱われていて「デーライト」の色温度に最適化されている場合のみストロボや太陽光とミックスして使うことが出来ます。

色温度やホワイトバランスの話はまた、別の機会に取り上げることとして、、

ここでは、早速、
この灯具を使った作例を見ていただきましょう。

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デジタル一眼初心者向けライティング講座_バウンス光を使おう

このところデジタル一眼レフユーザーがもの凄く増えていると思うのですが、

皆さん、ストロボ撮影はどうされてますか?

普通にポップアップ式の内蔵ストロボ?

それともカメラヘッドに取り付ける外部ストロボ?

本格的に撮りたいのならば内蔵ストロボはなるべく使わないで、外部ストロボを使ったほうがいいですよ。

真上に向けて天井にバウンスしたりとか、応用が利きますのでライティングの幅が広がります。

それに内蔵ストロボだと、口径の大きなワイドレンズを着けた時など光がけられて、下半分が影になったりします。

そんな経験があるでしょう?

で、一応は外部ストロボを推奨しながらも、

内蔵ストロボでバウンスライティングをしちゃう方法を教えちゃいます。

まず、その前に、

 

DSCF2268.jpg

内蔵ストロボダイレクト照射の見本写真です。

そうですね。こんな感じになってしまいます。

ある意味ドラマチックというか、ドキュメンタリータッチというか、

好みもあるでしょうから、必ずしもダメな写真ということでもありません。

でも、

やはり、レンズの影が下に出ていますね。

レンズの口径が大きいとストロボの光がけられてしまうんです。

DSCF0024.jpg

そこで、こんなことしちゃいましょう。

ごく普通のアルミホイルですが、ストロボの周りに巻いて、

光がダイレクトに当たらないように全部上に反射させてしまいます。

そうです、

内蔵ストロボなのに、天井バウンスが出来てしまうんです。

ただし、これが使えるのは天井が白い室内だけです。

縦位置にするなら、壁に照射することになりますから、その場合は白い壁でなくてはなりません。

こうして、光を直接当てるのではなく、バウンスさせて撮影することをバウンスライティングと呼びます。

柔らかい均質な光が得られますが、反面、光が拡散するので、かなり弱まります。

元々内蔵ストロボは光量が弱いですから、そのままだと結構暗くしか写りません。

そこで、カメラのISO感度は400以上に設定しましょう。

(今回は500に設定しました)

ストロボTTLも効かなくなりますから、ストロボの設定をマニュアル発光にして、フル光量にしましょう。

もちろんカメラ側の露出設定もマニュアルにして絞りとシャッタースピードは任意に選ぶようにしましょう。

任意といっても、そんなに難しくはありません。

何枚か撮りながら調整していけばいいんです。

「絞り」の調整が主になります。

撮影後の液晶画面を見ながら、暗ければ絞りを開け、明るすぎるようでしたら絞りを絞ります。

シャッタースピードは副次的な調整です。

ストロボの光だけで撮りたければ1/125秒とか早いシャッタースピードにします。

部屋の照明や雰囲気も一緒に取り込みたかったら、周りの光も感じられるように1/15秒とか遅いシャッタースピードにします。

そうすると、こんな感じになります。

 

DSCF2269.jpg

 

FinePix S5Pro

SIGMA 10~20mm F4~5.6

1/125秒 f5.6

内蔵ストロボ

 

 

 

 

どうでしょう、そこそこいい感じでしょ?

内蔵ストロボですから、光量がなく、感度アップしなくてはいけないのが難点です。

でも、カメラバックの片隅にアルミホイルをちょこっと入れておくと便利ですね。

チューインガムの銀紙でもいいですけど、、、 

 

 

 こんな感じで時々初心者向けのライティング講座も書きたいと思っています。

どんどんアーカイブしていけばカテゴリの「ライティング」のところに溜まっていきます。

時々、過去記事も探してみてくださいね。

(って、まだ探すほどの量は無いけど、、、)

 

超上級プロフェッショナルライティング

こないだ、面白いライティングが出来たのでここで自慢してしまおう。

まずは完成写真を見てほしい。

S0903_016_04.jpg

 

綺麗な写真に仕上がっている。

本来なら右側からのメイン光源について解説したいところだが、ここで注目してほしいのは左側からの補助光による商品側面のライティングだ。

側面だけの合成処理などはしていない。

もう少し明るめのナチュラル系の色ならバウンス板をレフとして当てるだけでも色は出てくるのだが、

このぐらい色の濃い家具だとしっかりと光を当てないと側面の木目の色は出てこない。

かといって普通に光を当ててしまうと、左側の壁も明るくなってしまい、折角の右側からのメイン光源の陰影を生かせなくなってしまう。

そういう場合、従来ならグリッドで部分的に側面だけを狙って光を当てるなどするのだが、それもありきたりだし、上から下まで均一な光にはならない。

そこで思いついたことを試してみた。

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