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地味すぎてよくわからないプロフェッショナルレタッチ

プロフェッショナルレタッチといっても何か特別のことをしているわけではない。

納品するために必要な作業を日々繰り返しているだけのことなので、レタッチという感覚すら薄れてくる。

(単調な作業としては修復ブラシツールなどを使ったゴミ取り作業だ)

 

一般の人が見てもまったく気がつかないPhotoshopレタッチを紹介しよう。

完成写真はこんな感じ

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初級プロフェッショナルライティング講座ー光の種類と性質を理解するための用語

光を形容するときの用語は様々だが、それを的確に言い表しながらコミュニケーションをとることは難しい。

人によって理解の仕方が違う場合もあるので、プロの現場でも混乱することがある。

==光の性質の違い==

☆強い光・弱い光

 これは一般的には光量を上げる、下げるの意味だが、ライティング上は光源を被写体に近づける、離す、という意味もある。

光源を被写体から離すと光量は弱くなるのだが、倍の距離を離すと光量は1/4になる。

そのとき(光源が遠いとき)、同じ被写体の中でも光源に近い側と遠い側での光源までの距離の差は少なくなり、光の強弱はつきにくくなる。

逆に光源を近づけると、光量は二乗的に強くなるのだが、同じ被写体のなかでも光源に近い側と光源から遠い側の距離差が大きくなるため光量の差も激しくなり、陰影がつく。

我々プロが「強い光のライティング」と言ったときのイメージはこちらのほうだ。

ただ光量を上げるだけでは強い光にはならない。

(写真的には露出の調整だけの話だから、、、)

☆硬い光・柔らかい光

スポットライトのようなシャープな影が出来るのが硬い光、ディフューズやバウンスされて影のエッジがぼけるのが柔らかい光である。

強い、弱いとは意味が違う。

==光の種類の違い==

☆点光源・面光源

硬い光・柔らかい光で解説したように、シャープな影が出来るのは光源が「点」だからだ。

ディフューズやバウンスされた光は光源の面積が広がるので、一つの面から光を発するような感じになるので「面光源」と称している。

(しかし、ストロボにカサをつけて柔らかくバウンスさせた面光源でも、被写体からずーっつと離すと、それは点光源に近くなるので、被写体とライトの距離によっても変わってくる)

 

このような光の種類や性質を理解したうえで、それを組み合わせてライティングしていくのがプロフェッショナルライティングだ。

強いけど柔らかい光、硬いけど弱い光、など自在に組み合わせられるようになれば一人前だ。

 

Photoshop CS4は哲学を変える、、

12月16日、アップルストア銀座で「フォトグラファーとレタッチャーが語るAdobe Photoshop CS4」と題されたセミナーがあった。

発売3日前ということで席は満席、立ち見も出るほど盛況だった。

最初はアドビシステムズの日下部徳彦氏によるプレゼンテーション。

新機能をざっとおさらいする。

続いてフォトグラファー早川廣行氏によるアジテーション。

CS4がいかに凄いか、熱弁に思わず引き込まれてしまう。

そして最後はレタッチャーの片岡竜一氏がPhotoshopCS4での3D機能に関して紹介する。

Photoshop CS4 Extendedが扱う3Dは従来の2Dと3Dの垣根を越えたビジュアルのあり方を考えさせられるものだった。

早川氏はCS4を使い始めるともう前のバージョンには戻れない、と言っていた。

それはよくわかる感覚だ。

何か一つでも気にいった機能があると、前のバージョンには戻れなくなる。

CS2の時は16bit処理が増えたことと「レンズ補正」がそうだったし、今回は「Photomerge」や「レイヤーを自動整列」といった機能がそうかもしれない。

実際「Photomerge」は仕事でもすでに使っていて、デモ版の期限が切れてしまうと困る状態にすらなっている。

 

だが、僕が最も興味を引いたのは主催者である(株)玄光社のコマーシャルフォト編集部、川本氏の発言である。

「僕はいままで、本の中では調整レイヤーを使いましょう、という趣旨のことを書いてきたが、本当のところはよくわかってなくて、個人的にはあまり使ったことがなかった。

しかし、CS4の色調補正機能が統合されてその意味が見えてきた、、」

 

色調補正に関しては従来から2つのやり方があって、

一つは画面上のメニューから「イメージ」→「色調補正」を選択するやり方と、調整レイヤーを作成してパラメータを実行するやり方である。

僕もそうだが、古くからのユーザーは「イメージ」メニューから「色調補正」の中の「トーンカーブ」や「レベル補正」を選ぶのが慣れたやり方になっているのではないだろうか。

ショートカットでもコマンド+Mとかコマンド+Lといった使い勝手のほうが馴染みがある。

この場合、パラメータを設定したら必ず「O.K」をして決定をする必要があった。

例えば、「トーンカーブ」を開いて実行して、次に「色相・彩度」を実行して、など一つ一つの手順を追っていくやり方だった。

決定した時点で画質も決定しているので、何度も調整していると画質が劣化してくる。

画質を劣化させないようにするにはずーっと前の工程まで戻ってやり直さなければならなかったのだ。

 

つまり、静止画像でありながら、実はその生成過程ではリニアな時間軸が存在したのである。

それを解消したのが「調整レイヤー」だったのだが、今回のCS4ではよりわかりやすく統合されたウィンドウに集約した。

ここではもはや時間軸は存在せず、「O.K」ボタンを押す必要すらないのだ。

時間というものは不可逆なものであり、データの劣化も不可逆なものであった。

それをいっぺんに覆してしまったのがPhotoshop CS4だ。

 

哲学は写真の発明によって変わった。

それまで「我思うゆえに我あり」なんて自己と世界を規定していたものが、

いや、世界ってこうなってるよ、と圧倒的に客観的な写真の存在によって「世界観」は変わった。

さらに3Dのコンピュータグラフィックスでありえない視点で世界を見ることも出来るようになった。

テクノロジーの進化が哲学を変えてきたのである。

「写真」が世界を写すのであれば、その世界を創り出すPhotoshopの概念が変わることは新しい哲学が生まれることに他ならない。

Photoshop CS4 (V11.0) 日本語版 Macintosh版

 

Photoshop CS4 (V11.0) 日本語版 アップグレード版 Macintosh版

 

 

破れ傘、カポックライティング

撮影の現場では白い発泡スチロールのボードをバウンス板として使っているのだが、なぜか皆、それをカポックと呼んでいる。由来は知らない。

そのカポックを天井バウンス板として使う簡単な方法を紹介しよう。

白ホリ貸しスタジオなどではトップライトが常備されていたりするが、倉庫のような建て込みスタジオやロケスタなどではトップライトをどうするかが課題になる。

トップライトを仕込むために時間がかかり過ぎていては全体の進行に影響してしまうので、手短に済ませる必要がある。

かといって、カサバン(傘にバウンス、という業界用語)だけでは面光源の面積としては物足りない、というときに思いついた。

まずは、それがどんなものなのか見ていただこう。

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